合資会社が、「資本金1万円」でスタートアップできると注目されているようです。この会社の特徴は、設立に2人以上の社員が必要で、しかもそのうち最低1人は無限責任社員でなければならない点でしょう。
現在の商法では、合名・合資会社の資本金の金額については、一切の規定がありません。なぜ資本金の額が問われないのかというと、合資の場合、いくら資本金があるか関係ないからです。
親戚知人借入などを活用して短期間ある程度のお金を集めることができるのなら、一時的に銀行の口座に「アリバイ的」に預けておくだけであるから、資本金にこだわる必要はないでしょう。
出資金を預ける金融機関以外の金融機関からお金を借りてきて、登記が終了したら引き出して返済するというやり方は、不正行為にあたり、法律的には違法なのであるが、現実にこれから起業する人が1,000万円持っているかというと難しいのが実情であるから、株式のスタートアップの多くはこのやり方になっているようです。
日本人はイメージをとても大切にするので、同じ組織でも、最もイメージが良いのは株式、その次が有限であり、合資はあまりイメージが良いとは言えません。その理由は「一般的ではないから」で、世の中でこのような偏見があるのは事実です。一般的ではないけれど、法人税や経費については、有限・株式と全く同じなのです。
合資の設立手続きは、一番早くて1日で済みます。設立の手続き上で有限と決定的に違う点は、定款の認証と銀行の出資払込金保管証明書が不要だということでしょう。